6920 東証プライム 連結・日本基準 決算期6月

レーザーテック財務ノート

2026年6月期(本年)と2025年6月期(前年)。2026年8月6日の決算短信に基づく学習用の比較です。売買の推奨ではありません。

比較表のPDFを開く

売上高

2,305億円

△8.3%

営業利益

1,053億円

△14.3%

純利益

775億円

△8.5%

営業利益率

45.7%

前年 48.8%

減収減益でも、売上総利益率は59.0%から59.2%へわずかに上がっています。落ちたのは納入台数と、研究開発を含む販管費です。受注高は1,052億円から2,375億円へ戻り、期末受注残は3,230億円。減収は前期の受注低迷の遅れ、と読むのがこの会社の基本です。

損益計算書

単位は百万円。増減の色は良し悪しではなく方向です。増加は紺、減少は赤。0は短信で計上がない科目を含みます。

科目2025/62026/6増減率
売上高251,477230,485△20,992△8.3%
売上原価103,22094,005△9,215△8.9%
売上総利益148,256136,479△11,777△7.9%
販売費及び一般管理費25,41331,220+5,807+22.9%
営業利益122,843105,259△17,584△14.3%
営業外収益
受取利息157239+82+52.2%
受取配当金141400.0%
投資有価証券売却益0221+221—
為替差益02,068+2,068—
その他152114△38△25.0%
営業外収益合計3242,659+2,335+720.7%
営業外費用
支払利息120△12△100.0%
自己株式取得費用015+15—
為替差損3,6760△3,676△100.0%
その他348△26△76.5%
営業外費用合計3,72323△3,700△99.4%
経常利益119,444107,895△11,549△9.7%
税金等調整前当期純利益119,444107,895△11,549△9.7%
法人税、住民税及び事業税37,79130,781△7,010△18.5%
法人税等調整額△2,999△371+2,628+87.6%
法人税等合計34,79130,409△4,382△12.6%
親会社株主に帰属する当期純利益84,65277,485△7,167△8.5%

貸借対照表

工場と借入は小さく、仕掛品・現預金・前受金が大きい受注生産の形です。仕掛品は店頭在庫ではなく、検収前の検査装置です。

資産

科目2025/62026/6増減率
流動資産
現金及び預金86,08791,503+5,416+6.3%
受取手形、売掛金及び契約資産24,79026,963+2,173+8.8%
仕掛品123,672122,449△1,223△1.0%
原材料及び貯蔵品45,33345,342+90.0%
その他7,1458,854+1,709+23.9%
貸倒引当金△167△31+136+81.4%
流動資産合計286,861295,082+8,221+2.9%
有形固定資産30,28529,255△1,030△3.4%
無形固定資産2,4511,251△1,200△49.0%
投資その他の資産10,00311,061+1,058+10.6%
固定資産合計42,74041,568△1,172△2.7%
資産合計329,601336,650+7,049+2.1%

負債・純資産

科目2025/62026/6増減率
流動負債
買掛金9,60612,534+2,928+30.5%
未払法人税等26,11912,767△13,352△51.1%
前受金64,38844,284△20,104△31.2%
繰延収益10,0857,794△2,291△22.7%
その他の流動負債7,7218,989+1,268+16.4%
流動負債合計117,91986,368△31,551△26.8%
固定負債合計1,7823,432+1,650+92.6%
負債合計119,70189,800△29,901△25.0%
株主資本
資本金93193100.0%
資本剰余金1,3591,381+22+1.6%
利益剰余金206,621252,975+46,354+22.4%
自己株式△976△12,977△12,001△1229.6%
株主資本合計207,936242,310+34,374+16.5%
その他の包括利益累計額1,9424,518+2,576+132.6%
新株予約権212100.0%
純資産合計209,900246,850+36,950+17.6%
負債純資産合計329,601336,650+7,049+2.1%

キャッシュ・フロー計算書

純利益775億円に対し、営業キャッシュ・フローは485億円。差の中心は前受金の減少と法人税の支払いです。「その他」は合計に合わせた残差で、単一の事象ではありません。

科目2025/62026/6増減率
営業活動
税金等調整前当期純利益119,444107,895△11,549△9.7%
減価償却費4,6764,674△20.0%
売上債権の増減(△増加)△2,862△1,185+1,677+58.6%
棚卸資産の増減(△増加)△9,6791,759+11,438+118.2%
仕入債務の増減(△減少)△1,7892,757+4,546+254.1%
前受金の増減(△減少)△8,046△21,120△13,074△162.5%
為替差損益(△益)3,724△1,136△4,860△130.5%
その他(小計まで)1,270△1,902△3,172△249.8%
小計106,73891,742△14,996△14.0%
法人税等の支払額△29,013△43,451△14,438△49.8%
利息及び配当金の収支149248+99+66.4%
営業キャッシュ・フロー77,87448,540△29,334△37.7%
投資活動
有形固定資産の取得△2,113△1,492+621+29.4%
無形固定資産の取得△210△299△89△42.4%
その他△97△92+5+5.2%
投資キャッシュ・フロー△2,420△1,883+537+22.2%
財務活動
配当金の支払額△24,531△31,131△6,600△26.9%
自己株式の取得0△12,003△12,003—
その他△37△47△10△27.0%
財務キャッシュ・フロー△24,568△43,181△18,613△75.8%
換算差額△2,9511,940+4,891+165.7%
現金及び現金同等物の増減47,9345,416△42,518△88.7%
期首残高38,15286,087+47,935+125.6%
期末残高86,08791,503+5,416+6.3%

他の半導体関連との位置

他社は2026年3月期。期末が違うので増減率の優劣には使いません。利益率の型の比較です。

会社売上高営業利益率自己資本比率
レーザーテック2,305億円45.7%73.3%
アドバンテスト1兆1,286億円44.2%67.9%
ディスコ4,369億円42.3%78.9%
東京エレクトロン2兆4,435億円25.6%71.5%
SCREEN6,057億円20.2%67.4%

幅広い前工程の東京エレクトロンやSCREENより、ディスコやアドバンテストに近い「狭い工程で価格を取る」側です。ただし顧客は最先端ロジックとマスクショップにほぼ限られ、受注は前期1,052億円、当期2,375億円と大きく振れます。高利益率とその振れは、同じ構造の表と裏です。

今後の確認点

  1. 受注残3,230億円が予定どおり売上になるか。四半期の受注、受注残、前受金が損益より先にずれます。
  2. 顧客が極端に少ないこと。1社の立ち上げ遅れで、前期のような受注の谷が再来し得ます。
  3. High-NA EUVの採用時期。開発費はすでに先行し、2027年6月期の会社予想も営業利益率43.1%への低下を見込んでいます。
  4. 利益と現金の差が、一時的な税金・前受金なのか、頭金条件の変化なのか。
  5. 期待の厚み。2026年10月上旬のロイター画面ではPER約56倍、PSR約20倍、PBR約18倍でした。遅延データで、いまの株価とは限りません。

2027年6月期の会社予想は売上2,900億円、営業利益1,250億円、経常利益1,250億円、純利益900億円。出典は決算短信、Fact Sheet 2026、決算説明資料、および比較対象各社の2026年3月期開示です。